今夏、Cラボに3名の大学生がインターンシップにやって来ました。
受入れに手を挙げたのは、地域課題の解決に斬新な手法で取り組み「港区モデル」を生み出し続ける港区まちセンの曽我アドバイザーです。8月末、インターン中の3名を訪ねました。
神戸松蔭女子学院大学 人間科学部 都市生活学科 都市生活専修 3年生
松本光菜(まつもと・かな)さん
上田凪紗(うえだ・なぎさ)さん
柳井彩伽(やない・あやか)さん
(左から)松本光菜さん、上田凪紗さん、柳井彩伽さん
地域の会館で新しいカラオケセットを試運転中。
高齢者にも分かりやすいマニュアルを作ってほしいと頼まれました。
インタビュー
Q みなさんは都市生活学科ですね。どんなことを勉強しているんですか?
松本さん
都市生活学科は昔の家政科に当たります。
都市生活と食ビジネス、2つの専修に分かれているんですが、私たちが所属する都市生活専修では、家族と地域の関わり、子ども食堂、外国人との結婚、貧困など、まちづくりから暮らしの時事問題まで広く学んでいます。
Q インターンシップは大学のプログラムの一環ですか?
柳井さん
はい。3年次の選択科目に「都市生活インターンシップⅠ・Ⅱ」というのがあります。
マナー講習などを受けた後、各地でインターンを行い、今月末には大学で成果発表があります。
Ⅰのインターンシップ先は旅行会社やホテルなどの民間企業、ⅡはNPOやまちづくり関係です。Ⅰを選ぶ生徒が8割ほどいますが、民間では電話対応や業務説明を聞くだけという場合もあり、私は卒論のテーマを商店街にしていることもあって、Ⅱにしました。
研修先について、2年次の都市生活プロジェクト演習の担当教授だった江弘毅先生に相談したところ、大阪市でまちセンを運営するCラボを紹介して下さいました。私たち生徒3人はこれまであまり話をしたことはなかったのですが、それぞれに江先生と仲が良く、一緒にインターンをすることになりました。
Q 10日間のインターンシップですが、初日はどんなスタートでしたか?
上田さん
訪問する前はとても緊張していて、どんな様子かも想像がつかず、何を着ていくかにも迷いました。大学のマナー講習ではスーツ着用が必須だったので、江先生に「やっぱりスーツですか?」と聞くと「なんでやねん!」と。
3人とも不安だったので、当日の朝、全身写真を撮ってLINEで送り合ったら、みんな白T・黒パンツ・スニーカーで。笑ってしまいました。
初日はまちセンの浜田さんが築港へ案内して下さって、みなさん優しくてほっとしました。
Q 今日でインターン8日目ですが、港区の各地域でどんな研修をしているんですか?
上田さん
まちセンの方々が調整して下さって、築港・三先・田中・磯路の4つの地活で研修中です。
築港では、地域ふれあい型食堂「カレーハウスほっこり亭」にスタッフ参加して、中学生対象学習支援「まなびば」で勉強を見ました。三先の高齢者食事サービスでは手遊び歌をする予定です。
松本さん
田中の「田中食堂」では、スタッフの方が地域におけるこの活動の意味を丁寧に説明して下さって、その間もメニューの冷やし中華やかき氷、スイカを「食べ、食べ」と出して下さり、場の温かさに感激です。
田中会館2階では「すまいるひろば」が開かれていて、小学生と一緒に松ぼっくりの工作をしたり、オセロをしたり。オセロでは子どもがズルをするのが可愛いくて。
柳井さん
磯路では盆踊りに参加しました。事前の実行委員会から出席させてもらい、終了後の振り返り会にも出ることができ、とても勉強になりました。
Q 磯路の盆踊りでは、何を担当したんですか?
柳井さん
店番をしたり、子どもと一緒に踊ったり、アンケート調査を行ったりしました。
「あげたこポテト」のブースで販売を手伝い、1日目は107個、2日目は150個を売り、25,700円の売り上げになりました。
踊りが始まったら恥ずかしがる子どもたちに「踊ったら光るオモチャがもらえるよ!」と声をかけて、一緒に踊りました。私も子どもの頃は地元の盆踊りで踊ることが恥ずかしかったけれど、みんなで踊るって楽しいですね。荻野目洋子さんの「ダンシング・ヒーロー」も子どもたちに大人気でした。
松本さん
地元の吹田市には「地活」という仕組みがなくて、盆踊りは古くから住む限られた住民だけのものになっています。マンションの自治会では“バチバチ”のケンカがあったりします。
港区に来てみて、地域の“つながり”に驚きました。
磯路地活ではみんながお互いのことをよく知っていて、実行委員会では上手に役割分担を決められて、誰もが気持ちよく参加できるようになっていて。ちゃんと話し合えること、気遣い合えることに驚いたんです。
上田さん
盆踊りは2日間開催されて、のべ1,000人の来場者がありました。
私たちは2日間でおよそ100人にヒアリングを行い、満足度や改善点などを調査しました。アンケートの結果を分析して、磯路にお渡しする予定です。
松本さん
今回インターンを経験させて頂いて、あらためて将来は「まちづくり」に携わりたいなと思いました。自分たちで事業を企画することに、とても魅力を感じます。
松本さん、上田さん、柳井さん
港区のみなさま、どうもありがとうございました!
おまけ
Q ご趣味は?
上田さん
インディーズ音楽が好きです。
去年はフェスとライブに30回ほど行きました。「ヤバイTシャツ屋さん」(←編集注:これはバンド名です)の『KOKYAKU満足度1位』など、最高です。「KANA-BOON」(←編集注:これはカナブーンと読みます)の『眠れぬ森の君のため』は心に沁みます。
大学の写真同好会では部長もしています。
柳井さん
お笑いが好きです。
休日はYouTubeで「東海オンエア」(←編集注:これはユーチューバーです)をよく観ています。今年のM-1グランプリは「アインシュタイン」のコンビが優勝するだろうと予想してます。
ブサイクな方の稲ちゃんのファンなのですが、販売16分で完売した稲ちゃんクッションがほしくてたまりません。
松本さん
私、オタクなんです。
ジャニーズジュニアとインディーズのファンで「遠征」(←編集注:これは“地方のライブ等に行くこと”です)してます。新幹線で行って、ライブを観て、夜行バスで帰って来て、「ガラガラ」(←編集注:みなさまご存知のスーツケースです)を持ったまま大学へ行くこともあります。
最近はライブ前後に観光もするようになって、日本の良さを再確認しています。卒業までに47都道府県を制覇することが目標です。写真は、“伊達政宗と戦う”をイメージしました。仙台にて。
取材・文:梶原千歳
イラスト:阿竹奈々子
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