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梶原

【港区コミュニティを科学する①】2 僕たちの任務


金ちゃん・同好会のイラスト

同好会50

昭和53年~ 都島区民センター

僕たちの任務

『大阪市コミュニティ協会は、連帯感あるまちづくりを推進することを目的に活動しています。

まちの礎は文化です。地域文化の向上も僕たちの任務です。』

ちゃうなあ

コミ協へ入所して都島区民センターに配属になった当時、センターでは文化講習会がいくつか開かれていました。決まった仕事をやって、みんな定時に帰っていました。

区民文化祭では、幼稚園から高校、地域の団体を回り、舞台に出てもらえないか頭を下げました。

「いくらくれるの?控室、ないの?」と言われ、これは違うと思いました。

お願いして出てもらうのではなくて、出たい人に出てほしい。それが本来やと。

同好会、つくりませんかあ

文化講習会は、色々な文化を区民に無料で紹介することが目的だったので、講習会は短期で終わってしまいます。そこで、生徒さんに「同好会をつくりませんか。僕、取りまとめしますよ」と声をかけていきました。

一人500円集めて10人なら、部屋代と講師料になります。先生にはあらかじめ、生徒さんからお願いがあったら、これくらいの講師料で引き受けてもらえませんかと打診しておきます。人数が増えても減っても、講師料は一律にしておくほうがいいですよと、生徒さんにはアドバイスしました。増えた分はプールして、減ったらその時のお金で払えば長く続けられますから。

そんなふうに僕はどうやったら続けられるかを助言して、先生と生徒さんの間を取り持ち、運営は生徒さんに任せました。方向を示して、みんなで話し合って決めてもらって、自律を図る。

僕は奔走していましたが、上司や同僚は相変わらず「かねやん、変わってるわあ」という様子でした。

《同好会のルール》

1 先生が損をしないこと、儲けすぎないこと

2 生徒が集金すること

3 生徒が代表になって運営すること

いい循環

手作りネクタイ、木彫り、縫い物、ダンスなど、同好会にはつくったもの、習ったことを発表する場が必要です。難波のギャラリーを借りるのもいいですが、区民文化祭もありますよと誘いました。

文化祭で発表すると、それを見て入会する人も多く、同好会はどんどん盛り上がっていき、最終的には50の会が立ち上がりました。

吹奏楽部もできて、桜之宮ウインドオーケストラという大阪市初の市民吹奏楽団に育ちました。そこでは、孫とお祖母ちゃんが一緒に楽器を吹いてるんです。かわいいでしょ。

芸からライフワークへ

同好会に加えて、プロやアマチュアの演者さんにも区民文化祭に出てもらうため、どうすればいい人が見つかるか考えた結果、楽屋へ入ろうと思いつきました。

急に行って交渉するとお互いに気構えてしまいますが、僕も演者の一人として色々なイベントに出て、そこでいい方がいたら、いくらくらいで出てもらえますう?と舞台裏で聞いてみる。交渉のハードルも金額も下がりました。

僕は、自分の子どもにしていた人形遊びにヒントを得て、腹話術を独学で学んで、舞台に上がりました。今ではライフワークとなり、リクエストがあれば人形の金ちゃんを連れて地域の福祉活動に行っています。

コスモス会

区民文化祭を区民だけで運営できるように、同好会を礎にコスモス会(都島区同好会連絡会)を作りました。展示部と舞台部の2つがあり、同好会の皆さんが自ら区民文化祭を企画運営するようになりました。

住民の手による文化祭、理想の姿です。(つづく)

取材・文:梶原千歳 

イラスト:阿竹奈々子

 

第5号 【港区コミュニティを科学する①】2 僕たちの任務

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